ここ数年、YoutubeやTikTokなどを含む、動画投稿SNSが普及している関係で、様々な個人が自分の作成した動画を公開できる場が増えています。そんな中で、自主制作のアニメを投稿する人が出てきているのはご存知でしょうか。アニメは、アニメ制作会社が作ってテレビで流すもの、というイメージの人が多いと思いますが、実はアニメは自主制作で作ることが出来るのです。本記事では、自主制作のアニメの作り方の詳細や、必要になる機材、そしてオススメのツールをご紹介していきます。
そもそも自主制作アニメとは?
そもそも、アニメを自主制作出来るの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、アニメの自主制作は可能です。しかし、多くの方は自主制作アニメには、あまり馴染みがない方も多いかもしれません。自主制作アニメとは一体何なのでしょうか。自主制作アニメとは、個人、又は集団によって制作された、商業を目的としていないアニメーション作品のことを指します。動画投稿サイトなどに、個人や集団によって自由に投稿されている自主制作アニメの中には、視聴者から名作と呼ばれ、注目と集めているものも生まれています。
自主制作アニメの作り方
では、自主制作アニメは、どのようにして作るのでしょうか。自主制作でアニメを作るには、様々な工程があります。以下では、大きく6つの工程に分けて説明していきます。
構想を練る
まずはアニメの構想を練るところから始まります。アニメのストーリーや世界観、登場するキャラクターの性格やデザイン、舞台など、アニメを進めていくにあたり、事前に考えておかなければいけない点は多岐に渡ります。アニメにおいて主人公となる登場人物や、物語の展開に影響を与える内容は、キーパーソンと呼ばれ、作品の展開や結末を左右する重要な役割を担っています。これらを考えると共に、アニメという限られた時間の中で、物語をどのように区切るか、更に、各回のどのように始め、どのように終わらせるか、なども構想の段階で練る必要があります。
演出のコンテを描く
構想が出来たら、次は演出のコンテを描きます。絵コンテとは、登場人物のセリフや動き、位置を含む、各カットの画面構成を図として表した設計図のようなものです。この絵コンテがアニメ制作において非常に重要で、アニメの自主制作においても欠かせない要素です。絵コンテには、ページ数や登場人物のセリフ、動きに加え、カメラワークや効果音なども記載していきます。絵コンテと言っても、絵だけでなく、細かい部分はテキストで記載する場合もあります。
原画を作成する
絵コンテが完成したら、次は原画の作成に入ります。原画とは、アニメでキャラクターやものを動かす時に、重要となる絵のことを指します。絵コンテに基づいて、動きのポイントとなる部分を数枚描いていきます。第一原画と第二原画があり、第一ではラフに描いて確認や改善作業を行い、第二で最終的に詳細部分まで描き上げていきます。
動画を作成する
原画の作成が出来たら、いよいよ動画の作成に入っていきます。原画の段階では、ポイントとなる部分のみの絵があるため、それらをそのまま繋げてしまうと、動きとしてスムーズに見えません。そのため、原画と原画の間に中割といって、原画をトレースして描く絵を差し込んでいきます。これらを繋げることで、動画が出来上がるのです。小さい頃によく描いたパラパラ漫画のようなものをイメージするとわかりやすいかもしれません。
編集する
動画が完成したら、次は動画の編集作業です。編集では、細かい部分の調整を行っていきます。絵コンテに描き込んだ効果音やセリフについても、この編集の段階で実行していきます。また、全体の流れを見て不要な部分を切り落とし、1つの作品としてまとめる作業となります。色彩なども確認し、すべての詳細を調整したら完成です。
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自主制作アニメで必要な機材(アナログ)
自主制作アニメの手順がわかったところで、続いては必要な機材をご紹介していきます。アニメを自主制作する際、アナログで作画を行う場合とデジタルで行う場合があります。そのため、アナログの機材とデジタルの機材に分けてそれぞれ順番にご紹介します。
1. 作画用紙
まずアナログの機材の1つ目は、作画用紙です。絵コンテを描いたり、原画を描いたりするために必要です。原画用紙と動画用紙の2種類が必要となります。絵コンテと言われると、画用紙に鉛筆などでラフに描かれたものを想像する方が多いのではないでしょうか。まさにその通りで、アニメ制作には、数多くの画用紙を使います。
2. 鉛筆と色鉛筆
実際にアニメの原画等を描いていくために、鉛筆が必要です。また、影やハイライトなどを表現する際に色鉛筆もあると良いでしょう。
3. 消しゴム
原画や絵コンテを描いたり消したりして修正していく場合もあるので、消しゴムも必要です。使い慣れているものや、消しやすいものがあると良いです。
4. 定規
用紙や鉛筆、消しゴムはなんとなく想像が付くかと思いますが、実は定規も必要です。機械や電化製品など、まっすぐな線で表すものには定規を使用します。また、カッターを当てて紙を切る際などにも定規が必要になります。
5. タップ
続いてタップです。あまり馴染みがない方もいるかもしれませんが、タップとは複数枚の画用紙がずれないように抑える道具です。画用紙の上の部分には穴があいており、そこにタップをセットして使います。前述した通り、アニメの動画はパラパラ漫画のように様々な絵が重なることで動きがつくため、その機微な動きが滑らかになるよう、紙の位置を合わせるために使われます。アニメの自主制作において、非常に重要な道具です。
6. トレース台
トレース台とは、用紙の下から光を当てて、イラストや文字を透かすための道具です。こちらも、私生活で使用することはなかなかないので、知らない方も多いのではないでしょうか。しかし、トレース台は、原画を描いたあとに中割りをいれる作業の際、原画をトレースして中間のイラストを描いていくため、こちらも非常に重要、且つ便利な道具です。
7. 手袋やアームカバー
最後に、手袋とアームカバーです。アニメ制作に手袋とアームカバー?と疑問に思いますよね。ただ、手描きでアニメーションを作成していると、紙と触れ合う手や腕が汚れてしまいます。そんな時に、手袋やアームカバーをして汚れをガードするために使います。
自主制作アニメで必要な機材(デジタル)
続いてはデジタルの必要機材についてご紹介します。アニメをデジタルで自主制作する場合、必要な機材はたった2つです。
1. ハイスペックPC
1つ目は、ハイスペックPC。絵を描く部分までは用紙と鉛筆で手描きで作業するのが主流ですが、そこから先の、色を付けたり編集したりする作業においては、パソコンが使用されます。編集作業では、様々なソフトを入れて行い、PCにかかる負担も大きいため、ハイスペックPCがおすすめです。
2. ペンタブレット
続いてペンタブレットですが、こちらは、主に色を塗る際に使用します。マウスだけでは、細かい部分の微調整が難しいため、ペンタブレットで行うと簡単でおすすめです。
自主制作アニメでおすすめなのはデジタル
自主制作アニメに必要な機材は、アナログとデジタルがあるとご紹介しました。アニメの制作をアナログで作画を行っている場合もまだまだありますが、やはりおすすめはデジタルです。アニメをデジタルで自主制作する場合は、用意するものも少なく、絵コンテの段階で修正や加筆、カメラワークの変更などが起こった場合に手間なく、且つ迅速に対応することが出来るからです。また、最近では高画質な映像が求められていたり、環境を守るという観点でも、紙や鉛筆を使わないデジタルでの制作に注目が集まっています。その他に、他の人と連携する際にも、デジタルであればリモートワークや素材の受け渡しが簡単になります。様々な点において、デジタルでのアニメ制作がおすすめです。
デジタルでの自主制作アニメにおすすめなツール「Animation desk」
最後に、デジタルでアニメの自主制作を行うにあたり、おすすめのツールをご紹介します。今回ご紹介するのはAnimation Deskと呼ばれるツールです。
Animation Deskは、初心者からプロにも愛用されるアニメーション制作アプリです。すべてのモバイルデバイスでアニメーションを簡単に作成し共有することが出来るのが特徴で、写真や動画を素材にアニメーションを制作したり、ストリートボードを作ることも出来ます。「あなたの創造性を形に」というスローガンを掲げており、思いついたアイディアを直感的にでかたちにすることが出来るため、簡単に動画制作を行うことが出来ます。
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自主制作アニメ:まとめ
いかがでしたか?本記事では、自主制作のアニメの作り方の詳細や、必要になる機材、そしてオススメのツールをご紹介してきました。そもそもアニメを自主制作出来るということを知らなかった方も、実は今アニメの自主制作はそれほど高いハードルではないので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。また、これからアニメを自主制作しようとしている方や、少しでも自主制作アニメに興味のある方などは、これを機に、具体的にツールや機材を揃えて、実際に始めてみてくださいね。