ムードボード(Mood Board)という言葉を耳にしたことがありますでしょうか。なかなか耳にしたことがある人は少ないと思いますが、実はムードボードとは、アイデアを共有する際に非常に便利なツールの1つです。今回は、ムードボードとは何なのか説明し、ムードボードの作り方、ムードボードを作成する際のポイント、そして実際にムードボードを無料で作ることができるおすすめのアプリを紹介していきます。
ムードボード(Mood Board)とは?
ムードボードとは、何かを作成する際に正確に言語化することが難しい、色や雰囲気・イメージなどのアイデアを、より詳しく伝えられるようにするツールです。具体的には、写真やイラスト・カラーパレットなどの関連する素材を集めてコラージュし、メモなどを加えて作成します。ムードボードに使う素材に制限はなく、フォントや質感、ロゴ、模様といったように様々な素材を活用してイメージを視覚化出来るのがムードボードの良いところです。
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また、ムードボードはファッションやインテリア、グラフィックなどのデザインの分野で使用されることが多く、チーム内での認識共有にとても便利です。チーム内での共有を具体的にすることでクライアントにも最終イメージが伝えられやすくなります。さらに、ムードボードを作成する際にアイデアやイメージを集めることで合理的に進めることが出来る為、最終デザインが決定するまでの時間を削減することも出来ます。このように、ムードボードを作成することで自分・チーム・クライアントと三方向にメリットが生まれるのです。ムードボードは紙面でもデジタルでも作成可能な為、自分やグループに合った方法で作成していくと良いでしょう。
ムードボードの作り方のポイント
アイデア共有に便利なムードボードですが、実際にムードボードを作成をする際は、ただ作るのではなくしっかりと作成の方針を決めることが重要になってきます。以下で、ムードボードの作り方のポイントを3つ紹介していきたいと思います。
ムードボードの作り方①:キーワードに近いイメージの画像を集める
まず最初に、テーマとなる「キーワード」を決め、そのキーワードを元にイメージに近い画像をたくさん集めていきましょう。ブランド・商品のイメージや、アイデアの中でもしっかりと伝えたいキーワードを画像で集めることで、ふわっとした抽象度の高いイメージが可視化されて具体的になっていきます。キーワードはこの段階で1つに絞る必要はありません。様々な方向性で画像を集めていってみると良いでしょう。画像を集める時点で方向性を探っていくことがとても重要になってきます。
例えば、「モダン」や「かっこいい」というキーワードで画像を集めるとすると、モノクロや洗練された余白の多い画像が集まるかもしれませんし、「優しい」というキーワードであれば、パステルカラーやあまりくっきりとしていない線、丸みを帯びたデザインの画像が集まるかもしれません。このように、ざっくりとしたキーワードを、色味・デザイン・質感・媒体など複数の角度から画像として集めていき、少しずつ具体的にイメージにしていきます。
ムードボードの作り方②:集めたものをグルーピング
イメージに近い画像を集めたら、次は集めたものをグルーピングしていきます。複数の画像から、形や色味、雰囲気といったトンマナが似ている画像を集めて分類する作業です。グルーピングを行うことで、様々な素材が入り混ざっていたムードボードを整理整頓していくことが出来ます。
ムードボードの作り方③:分類ごとに名前をつける
分類ができたら、分類したグループに名前を付けていきます。名前を付けることで、それぞれのムードボードを他の人に見てもらう時に、名前が付いていることでわかりやすくしていきます。グループに名前を付ける時は、そのグループの特徴を表す名前を付けるようにすると良いでしょう。
しっかりとポイントを抑えて、より効果的にムードボードの作成を行っていきましょう。
ムードボードを作るのにおすすめなアプリ3選
ムードボードが重要で便利とはいえ、実際にデジタルでムードボードを作成する時は、どんなツールを使えば良いの?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。今回は、ムードボード作成時におすすめなアプリ3選をご紹介します。
・アイデアをメモして整理することができるノートアプリ「NoteLedge」
NoteLedgeは、思い付いたアイデアをメモして1箇所で整理することが出来るデジタルノートアプリです。デザイナーやコンテンツ製作者のためのデジタルノートアプリの為、アイデアの記録やムードモードの作成に向いています。テキストだけでなく、手書きメモや音声、写真、位置情報など様々な情報を記録することが出来るのが特徴です。多くのマルチメディアツールが搭載されており、Pinterestやその他ウェブサイトの参考にしたい部分を保存したり、注釈を追加して保存したりすることも可能です。また、ムードボード機能も付いており、ムードボード機能ではレイヤーを活用することが出来る為、よりアイデアをクリエイティブに変化させていけるでしょう。その他、スケッチやコラージュなど、様々な機能を活用することで、自分の思い描いているムードボードの作成が簡単になります。iPhoneでもダウンロードが可能になった為、いつでも好きな時に活用出来て、より便利になりました。
■NoteLedge
https://www.kdan.com/ja/noteledge
複数人でムードボードを共有できるツール
「InVision」
InVisionは、ウェブ上で使用出来るプロトタイプ作成ツールです。簡単に使いこなせるようになるのが特徴の1つで、基本的にファイルをアップロードすれば後は画面遷移を足していくだけで完成させることが出来ます。また、グループでのアイデアの共有に特化しており、リアルタイムでの共同編集や確認も可能です。チームのメンバーと画面を共有し、話し合いながら同時に作業を進めていくことが出来る為、スピーディ且つ認識齟齬のない作成を実現してくれます。有名なAir bnbもアプリ開発の際にはInVisionを使っています。さらに、DropboxやSlack等の外部サービスと数多く連携しているのも、便利な点の1つです。その他にも、CSSの書き出しやZIP/PDFでのダウンロード利用など様々な機能を無料で使うことが出来ます。複数人でムードボードを作成しすぐに共有したい方にはおすすめのツールです。
■InVision
https://www.invisionapp.com/
無料のグラフィックデザインツール
「Canva」
Canvaは、無料のグラフィックデザインツールです。オンラインで使うことが出来て、スマホ・タブレットなどの端末にも対応しています。豊富なテンプレートが揃えられているのが特徴で、70,000点以上のテンプレートが目的別に用意されています。また、テンプレートのクオリティも高く、目的に合ったテンプレートが見つけられれば、写真やテキストをオリジナルに変えるだけで自分のデザインを完成させることが出来ます。また、テンプレートだけでなく写真も高品質なものを取り揃えており、イメージに合った写真を検索することも可能です。先ほどムードボードの作り方でご紹介したイメージの画像検索・収集から分類ごとの名前付けまで、全てCanva上で完結することも出来るので、ムードボード作成にはもってこいのツールではないでしょうか。またInVisionと同様、共同編集も出来る為、チームでのムードボード作成にも向いているでしょう。
■Canva
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ムードボードの作り方:まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、ムードボードとは何なのか、ムードボードの作り方、ムードボードを作成する際のポイント・ムードボードを作成できるおすすめのアプリ3選をご紹介しました。これまでムードボードを作成したことがなかった人でも、アプリを使えば簡単に、且つクオリティの高いムードボードが出来ることがわかっていただけたと思います。ムードボードを作ることで自分のアイデアを具体的に他の人に伝えられるので、ぜひ今後活用してみてください。