皆さんは、SDKという言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまり多くの人に馴染みがある言葉ではないですが、アプリ開発などを行っている現場ではよく使用されている言葉です。しかし、SDKについて詳しく知っている方はなかなか少ないのではないでしょうか。本記事では、SDKとは何を指すのか、役割について、SDKと混乱されがちなAPIとの違い、そしてSDKの代表的なサービスについても説明していきます。
SDKとは?
そもそもSDKとは、Software Development Kitの略語で、日本語ではソフトウェア開発キットと呼ばれています。簡単に表すと、「ソフトウェアを開発する際に必要なツールが詰め込まれたセット」のことを指しています。このセットには、サンプルプログラムやAPI、サンプルコード、技術的説明資料などが含まれます。ソフトウェア開発の為に、様々なものがパッケージ化されているのです。
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現在では、多くの企業でアプリケーションやウェブサービスが必要とされています。しかし、企業で必要とされているアプリケーションやウェブサービスの作成には、ソースコードを書いたり、実際に組み立てたりと、高度な技術や知識を要する場合が多く、時間も莫大にかかってしまいますよね。
そこで、多くの企業では作成を白紙状態から始めなくても済むよう、必要なツールがパッケージ化されたSDKを使用しています。ソフトウェア開発をする際、技術者は対象のソフトウェア開発の為に、SDKを入手する必要があります。
SDKの入手については、有償のものもあれば無償のものもあり、インターネットでダウンロードをすることが出来ます。SDKという、ツールの詰まったパッケージをダウンロードし、導入することで、ソフトウェア開発にかかる様々な工程を省くことが出来る訳です。
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SDKとAPIの違いは?
SDKと同時によく耳にするのが、APIという言葉です。
APIは、Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の略語です。APIは、ソフトウェアやプログラム、ウェブサービスを繋ぐインターフェースのことを指しています。
SDKが、ソフトウェア開発に必要な道具のセットである一方で、APIはSDKに含まれるアプリケーションコードが呼び出す機能へのインターフェイスです。
SDKとAPIは、どちらも開発者が一からプログラミングをすることなくソフトウェアの開発や機能の呼び出しが出来る点では同じです。しかし、APIはあくまでもアプリケーションの機能のインターフェイスのみを呼び出すことが出来るものなので、実際にプログラムの中で使用するにはその他多くの工程が必要となるのです。
そのため、プログラム言語からAPIを簡単に使用可能にするべく、APIやライブラリの機能やサンプルプログラムなどのツールをパッケージ化したものがSDKとなります。SDKの説明部分で前述した通り、SDKの中にAPIが含まれています。
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SDKの3つの役割を紹介
SDKの概要やAPIとの違いがわかったところで、SDKの役割について、よりわかりやすく具体的に説明していきます。
- サイト速度を遅くしない
- 様々な機能をSDKだけで導入する
- 別のサイトやアプリを介さずに全機能が使える
サイト速度を遅くしない
1つ目の役割は、サイト速度が遅くなってしまうのを防ぐことです。自社のウェブサービスやアプリケーションに様々な機能を追加すると、どうしてもサイト速度が遅くなってしまうことが多いのが事実です。
しかし、サイト速度はウェブサイトに訪れてくれたゲストが、そのままサイトを閲覧し続けるか、または別のページに切り替えるか、いわゆる直帰率に大きく関わってくる重要な要素となります。
皆さんの中にも、訪れたサイトの動きが遅くて、次のページに進むのをやめて戻ったことがある方が多くいるのではないでしょうか。多くの機能を追加したウェブサイトは、一から作成を行おうとすると、莫大なコストがかかるだけでなく、その分データも重くなり、サイト速度が遅くなってしまう可能性が高まるのです。
しかし、各サイトの目的別で公開されているSDKを組み込み、利用することで、サイト速度の低下を防ぐことが出来ます。作成の手間も省けて、速度も保てるのは、作成、運営側にとっても、ユーザーにとってもメリットですよね。
様々な機能をSDKだけで導入する
続いての役割は、様々な機能をSDKのみで導入することです。ここまででご説明してきた通り、SDKには様々な機能がパッケージ化されて含まれています。SDKの種類は非常に豊富で、1つのウェブサイトに様々な機能を追加したい際に、欲しい機能が凝縮されたようなものも多く存在します。例えば、ウェブサイトで何かを販売する時、どんなユーザーが自身のサイトを利用してくれているのかユーザー層の分析を行ったり、ユーザーにとっての安全面を考慮して、ユーザーの登録・認証機能をつけたり、エラーが発生した際の検知をしたりと、1つのサイトでも様々な機能を必要としますよね。
このような多くの機能が、すべて1つになっているSDKを読み込めば、簡単にウェブサイトの機能の向上が可能なのです。1つ1つ機能を追加する必要がなく、SDKのみで様々な機能を導入できるのはSDKの良さといえるでしょう。
別のサイトやアプリを介さずに全機能が使える
そして最後にご紹介する役割は、別のサイト・アプリを介さずに全機能が使えるようにすることです。先ほどの例で表すとすると、ウェブサイトで販売していたものをゲストが実際に購入した際、レジ、クレジット決済、在庫管理、請求書作成など、様々な機能が必要になります。こういった機能が1つのAPIやアプリに備わっていない場合、複数のAPIやアプリの導入を行う必要が出てくるかもしれません。
しかし、決済SDKを導入することで、このような複数アプリの行き来をせずに、自社のウェブサイト内で購入から決済までを完結させることが出来るのです。サイト速度と同様、ページやアプリが別のところへ飛ばずに完結することは、ユーザーの満足度に影響を大きく与える要素です。
代表的なSDKサービス
では、実際に代表的なSDKのサービスを見ていきましょう。今回は、3つご紹介していきます。
Kdan PDF SDK
まず紹介するのは、Kdan PDF SDKです。Kdan PDF SDKは、クリエイティブ制作アプリ・ドキュメント管理アプリ・電子サインアプリを提供しているKdan社が手がけるSDKです。スマートフォンやタブレット向けのアプリケーションにPDF機能を組み込み、モバイルアプリ上のドキュメント管理機能を拡張することが可能となっています。Kdan PDF SDKには、PDFの閲覧だけでなく、検索や編集、ハイライトや手書き、注釈の追加、更には署名など、様々な機能が備わっているのが特徴です。
また、モバイルアプリにKdan PDF SDKの機能をカスタマイズして組み込むことも可能で、コードを数行組み込むだけで、アプリケーションに簡単に実装出来るのです。柔軟なカスタマイズ性や、主要開発言語、主要開発プラットフォームへの対応が可能です。
Android SDK
次にご紹介するのは、Android SDKです。Android SDKは、Android OSを搭載した端末向けのソフトウェアを開発する際に必要なライブラリやプログラムをキットにしたもので、Google社が無料で公開しているSDKです。2008年に最初のバージョンがリリースされ、それ以降、Androidの最新バージョンに合わせてAndroid SDKも更新されています。
開発者向けのサイトであるAndroid developersからダウンロードすることが出来ます。開発したアプリケーションをAndroidマーケットで販売・配布する際は、Googleアカウントの取得や開発者登録を経て、Google Playにアプリをアップロードすることが出来るようになります。
SDKシグネチャー
続いては、SDKシグネチャーです。SDKシグネチャーとは、モバイルマーケティング分析プラットフォームであるAdjustが提供している、SDKスプーフィングによる不正インストールを防止するSDKサービスです。スプーティングとは、不正業者がなりすましを行ってインストール数を水増しするサイバー攻撃の1つです。
スプーティングが行われると、不正事業者にデータ通信が渡ってしまう可能性がある為、しっかりと防止する必要があるのです。SDKシグネチャーでは、デジタルシグネチャーにより新規インストールを検証し、偽装されたインストールがないか確認する機能を持っています。ユーザーにとって、安全性をより確実にする為に有効なSDKサービスです。
このように、一言でSDKといってもその用途や特徴は様々で、目的によって導入するべきSDKは全く異なってきます。所属する組織が行うソフトウェア開発にはどんなツールが必要なのかしっかり確認してから、それに合ったSDKを選べると良さそうですね。
SDK:まとめ
いかがでしたか?これまでSDKという言葉を耳にしたことがなかった方も、ぼんやりとSDKがどんなものなのか、またどういった時に役立つのか、ご理解いただけたのではないでしょうか。文中でも記載した通り、SDKには様々な種類があります。自分や、自分の所属する企業がこれから必要そうなSDKを探して、上手に活用することで、より良いウェブサービスやアプリケーションの提供に繋がるかもしれません。是非SDKの導入を検討してみてくださいね。