ICT教育という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。コロナ渦において頻繁に耳にするようになった印象の方も多いかもしれません。ICT教育は、文部科学省が平成23年に公表した「教育の情報化ビジョン」においても多く取り上げられており、注目が集まる中で今後も発展が期待・促進される教育手法です。そこで本記事では、ICT教育とは何なのか、そして注目されている理由や導入メリットを始め、現在の課題やオススメのツールなど、ICT教育についての詳細をご紹介していきます。
ICT教育とは?
ICT教育とのICTとは「Information and Communication Technology」の頭文字を取ったもので、日本語では情報通信技術を意味します。つまり、ICT教育とは、教育の場で情報通信技術であるタブレット端末やPC、インターネットなどを活用する手法や取り組みのことを指します。例えば、従来使われていた紙の教科書の代わりに電子書籍やデジタル教科書を活用したり、対面の代わりに講義動画を用いて授業を行ったりすることはICT敎育の一部です。
前述した通り、文部科学省による「教育の情報化ビジョン」でも、21 世紀にふさわしい学びや子どもたちに求められる力の一例として情報活用能力を育むことが挙げられています。そしてそのための具体的な動きとして情報通信技術の活用、つまりICT教育が記載されているのです。このように、国全体として注目が高まっており、今後より推進が期待されているのがICT教育という分野です。
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ICT教育が注目されている理由とは?
では、なぜICT教育がそこまで注目されているのか。それは、様々な時代背景が関連しています。
まずは新型コロナウイルスの感染拡大です。世界を震撼させているパンデミックは、日本の教育の場においても多大な影響を与えています。2020年の春には全国一斉休校となり、対面での授業を行うことが不可に。そんな中、授業の進行の遅れが懸念され、対面でなくても教育を行うことができるICT教育に以前より注目が集まるようになりました。さらに、ICT教育はDX(デジタルトランスフォーメーション)化とも関連性があります。経済産業省によって「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」が発表されており、国としても推進していく必要があるとされているのがDXですが、ICT教育を発展させることで、同時にDXも促進することが可能であると期待されています。ICT教育促進とDX促進はお互いに相乗効果があると言えるでしょう。
その他にも、ICT教育を促進することで人材不足をはじめとする教育現場における様々な問題を解決し、教員の負担を軽減する動きも出てきています。ICT教育を活発にすることで作業効率が向上し、マンパワーに頼らなければいけない部分を減らして働きやすい環境構築に繋がる可能性があります。
ICT教育を導入するメリットとは?
このように、様々な観点から注目されているICT教育。以下では実際に導入するメリットを2つの観点からご紹介します。
1. 生徒、教員双方にとっての効率化
1つ目のメリットは、学習の効率化です。ICT教育を導入し、従来教員が黒板に書いたものを生徒が書き写していた部分をタブレット端末での動画に切り替えることで、生徒と教員の間で簡易的に共有したり、生徒がわからない部分を重点的に反復することができるようになります。そのため、お互いの手間が省けると同時に、書き写す作業に精一杯だった生徒はより授業に集中できるようになり、効率良く学習を進めることが可能なのです。また、場所を問わずに授業を受けることができるようになるため、自宅学習を行えたり、個々のレベルやスピード感に合った授業の進め方も実現することができます。生徒と教員、どちらか片方だけでなく双方にメリットがあるのは非常に魅力的ですよね。
2. ITリテラシーの育成
続いての導入メリットはITリテラシーの育成です。世界全体で情報化社会が進み、個人とITの距離感が年々縮まっているため、ITのリテラシーをあげておくことはもはや必須と言っても過言ではありません。パソコンを使えるのは当たり前、加えて情報活用能力や情報処理能力が求められていきます。そんな社会の動きに対して、ICT教育を導入・活用することで、様々なリスクを含む情報の取り扱い方などを身に付け、ITリテラシーを高められることも大きなメリットといえるでしょう。
上記以外にも、教員の軽減負担や時短、モチベーションの向上など細かくみていくと、ICT教育の導入には様々なメリットが存在します。
ICT教育の課題とは?
このように、国全体でも注目が集まっており多くの導入メリットも存在するICT教育ですが、もちろん現時点で課題も点在します。具体的には、導入コストやハードルの高さ、通信環境の影響や想像力低下のリスクなど様々です。
ICT教育を進めるためには、使用するタブレット端末を購入する必要があったり、通信環境の整備をする必要があったりと、導入コストは避けては通れません。また、これまでITにあまり触れてこず不安や苦手意識がある教員にとっては、導入ハードルが高い可能性も考えられます。全くITに触れてこなかった人が導入に関わる場合、覚えることが多かったりミスが増えたりと逆に手間がかかってしまう可能性もありますよね。さらに、通信トラブルなどにより授業の遅延や中止が余儀なくされる場合もなくはないため、導入する際は様々な環境整備やサポート体制を整えておく必要があります。
ICT教育におすすめツール3選
ここまで、様々な観点からICT教育について記載してきましたが、最後に、以下ではICT教育にオススメのツールを3つご紹介したいと思います。
1. 機能豊富なPDF編集アプリ「PDF Reader」
PDF Readerは、テキストや画像の追加、ファイルの分割・結合・圧縮などの基本機能に加えて、スキャンやOCR機能など多数の機能を無料で利用可能なPDF編集ツールです。ファイルの変換も可能で、MacやWindowsなどのパソコンはもちろん、iPhoneやiPad、Androidなどのスマートフォンやタブレット端末など、全てのOS・デバイスに対応しています。メールやチャット、Google DriveやDropbox、Boxなどのオンラインストレージサービスとも連携可能で、編集したファイルをその場で他の人に共有することができるため、ICT教育においては、学習に使う書類の編集・共有などに便利です。
2. プロにも愛されるアニメーション編集アプリ「Animetion Desk」
Animation Deskは、初心者からプロまで幅広い層に愛用されているアニメーション制作アプリです。写真や動画を素材にアニメーションを制作したり、ストリートボードを作ることが可能で、ICT教育においては、授業の映像作成に活用することができます。また、すべてのモバイルデバイスでアニメーションの作成と共有を簡単に行うことが可能なため、生徒への共有も効率的に行えるでしょう。あまり動画制作に慣れていない方でも、直感的、簡易的に動画作成を行うことができるのが特徴です。
3. 素早くメモを残すことができるマルチノートアプリ「NoteLedge」
NoteLedgeは、簡単且つ素早くメモを残すことができるマルチノートアプリです。映像や画像、ウェブページ、音声ファイルなど、通常のテキスト以外にも様々なコンテンツを一つにまとめてノートを作成することが特徴的です。例えば語学学習で発音も同時にメモしてみたり、その他にも学んだことを覚えやすいように画像と共に残したり、参考になるウェブサイトのURLも同時に保存しておいたりと、活用の幅は無限大です。
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ICT教育:まとめ
いかがでしたか?今回は、注目を集めているICT教育について、その導入メリットや課題、注目されている理由、そしておすすめツールをご紹介しました。今後さらなる発展が期待できるICT教育の分野。どのように情報通信技術が活用されていくのか、見逃せません。